ASPaC

Report

ASPaC タイ巡回展開催

2015.11.17 ~ 22

開催日時:2015年11月17日(火)〜22日(日)
場  所:TCDC(Thai Creative Design Center)/モンクット王工科大学/
シラパコーン大学&ラジャマンガラ大学
委  員:フミ・ササダ実行委員長(ブラビス・インターナショナル)、
森孝幹理事(デザインフォース)、越智由香子(DNP)、森野恵(DNP)、
福井政弘(フクイデザイン)、菅木綿子(片岡物産)

Sawatdii khrap!(サワディー クラップ/タイ語で”こんにちは”の意)
アジアの学生をパッケージデザインで繋ぐプロジェクトASPaCの作品巡回展と、同時開催のデザインセミナーやワークショップをタイ・バンコクで行いました。

DAY1:初日はバンコクに到着し巡回展の準備からスタート。

展示会場はエンポリウムという最新の商業施設にあるデザイン施設TCDC。
エンポリウムは毎夜プロジェクションマッピングが投影されていて、目覚しい進化を遂げつつあるバンコクの今を象徴するような街並みです。展示は翌朝10時スタートなので委員が交代で朝まで展示作業。
朝方にようやく展示スペースが完成。作品を並べてみると素敵な展示が出来上がり、ほっと一息でした。

DAY2:夕方からの展示会オープニングセレモニーはTCDCディレクターのApisit氏の挨拶に始まりJPDAからはフミ・ササダASPaC実行委員長から感謝の言葉を。

現地マスコミの方が複数取材に来るなど大変な注目と歓待ぶりでした。
このTCDCは今回のような企画展やセミナー、世界中のデザインやアートの書籍を集めた図書館(安価な会費で自由に使える)や打合せスペースがあり、カフェも併設されています。
様々な情報が集積するTCDCは昼夜問わず学生や若いデザイナーなどで賑わっていました。

DAY3:理工系国立大学であるモンクット王工科大学で講演&ワークショップを実施。

森理事がJPDA/ASPaC/ワークショップの説明をし、福井委員が「日本のお土産パッケージトレンドについて」講演。
大学で教鞭をとっている福井委員の話は解りやすいようで、学生達が通訳の話にしきりにうなずいているのが印象的でした。
ワークショップはタイでも有名なロッテ コアラのマーチのパッケージデザインをリニューアルするなら、が題材。
約60名集まった学生達のプレゼンテーションは伝統や文化に関連したアイデアやパッケージ形状がいくつかあったことが印象的でした。

DAY4:シラパコーン大学とラジャマンガラ大学の二校合同で講演&ワークショップ。

両校共に伝統ある芸大系大学。
会場はシラパコーン大学の100年以上リフォームし続けている、落ち着いたたたずまいの校舎。
菅委員による講演「日本のロングラン商品デザインについて」はリニューアルを通じて進化するということがまだ少ないタイでは新鮮だったようで学生達はもちろん、先生方も真剣に聞き入っていました。
約30名の学生たちのプレゼンテーションは芸大系らしく自由な発想を基にした鋭い指摘やアイデアに溢れた楽しい時間となりました。
福井委員、菅委員共に日本から実物を持参しており学生の好奇心を刺激する演出で、パッケージデザインの原点は現物である、と再確認しました。

DAY5:午前はタイのグラフィック界を長年にわたりリードしてきたオラサー先生との会議。

ASPaCのコンテストを来年開催するにあたりタイでの体制作りについて意見交換を。
タイ語、英語、日本語を自在に操るオラサー先生は20代のころ千葉大学でデザインを勉強したことから日本とタイの架け橋になれれば、と積極的にASPaCを支援してくれています。
午後はTCDCにてフミ・ササダ氏による講演「日本パッケージデザインのトレンド」。
自身の仕事を交えての話は解りやすく日本のブランドやデザインを体感できる素晴らしい講演で、時折歓声が上がるくらいの盛況ぶりでした。

“デザイン自体がトレンドの最前線になっている”と感じたタイでの5日間でした。
翌22日の午前中にバンコク中心部を個々にリサーチし、その後無事に帰国しました。
今回の渡航に際し、国際交流基金様をはじめASPaC委員はもちろん、日本でもタイでも多くの方に温かいご支援をいただけましたことに心より深く感謝申し上げます。

※ ASPaC(Asia Student Package Design Competition アスパック)
「日本・アジア学生パッケージデザイン交流プロジェクト」
公的機関・企業・教育界・有識者による「アジア学生パッケージデザイン交流プロジェクト実行委員会」、独立行政法人国際交流基金、公益社団法人日本パッケージデザイン協会(JPDA)により、2010年度に日本と韓国でスタートしたプロジェクト。
現在はタイ、インドネシアへも拡大し、学生を対象としたパッケージデザインコンテスト、優秀作品の各国での巡回展、コンテスト受賞者を参加国に招いての企業研修、有識者による講演・デザインフォーラムなどアジア各国でグローバルな活動を展開しています。

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