JPDA西日本委員会 勉強会 かたらうVol.2

WORK SHOP in KYOTO BOX & NEEDLE 「にかわを使ったこだわりの貼箱づくり」

開催情報
開催レポート

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開催日時:平成29年9月8日(金)
ワークショップ:14:00~講演:17:00〜
交流会:18:30~21:00
開催場所:勉強会@Jimukinoueda bldg. B1Fレンタルスペース
交流会@5FIVE CAFE&DINER
参加者数:33名(会員:30名/一般:3名)

西日本事業「かたらう」Vol.2は、京都の創業100年老舗紙器メーカーマルシゲ紙器による貼箱専門店「BOX&NEEDLE」代表・大西景子氏によるワークショップと講演を行っていただきました。
「BOX&NEEDLE」はヨーロッパ、アメリカ、インド、ネパールまで世界17カ国から紙を輸入し、取り扱う柄の種類は世界1位!
またワークショップにおいても6年間で国内外1万人以上の方が参加し、貼箱の価値創造を広く一般に啓蒙普及されています。

まずワークショップでは、オリジナルのレターボックス作りを体験しました。
たくさんの和紙・洋紙から好みの紙を選び、参加者自らサシと鉛筆で図面を引く、そしてグツグツ煮立った「にかわ」をハケで塗り厚紙に貼り付けて組み立てる・・・といった工程を行います。
大西さんはワークショップを行う目的として、次の4つのことを仰っておられます。

①たくさんの紙を見て選ぶことは世界の文化情報を取り入れることができる。

②製図をすることで構造を理解し、リペアをすることができる。
リペアができると箱を長く使うことができる。

③ワークショップを経験することで良い箱はどんなものか?が自分でわかるようになる。

④良い箱を作りたいという気持ちがクラフトマンシップの体感につながる。(知ってもらえる)

私達パッケージデザイナーにとって貼箱は身近な存在ですが、実際に「つくる」体験は想像以上に難しく、職人の方に丁寧に教わりながら何とか組み上げることができました。完成後テーブルに並べた貼箱たちは苦労した甲斐もあって色鮮やかで美しく映え、各国の紙模様からは個性が溢れ出ていました。

また、講演では「BOX&NEEDLE」を立ち上げたきっかけや、世界各地から収集する紙の話、学生と開発中の貼箱見積もりアプリ「H@COSTA(ハコスタ)」の開発秘話などさまざまなお話を伺いました。
社名の由来として「箱」と「針」=「羅針盤」を指し、『思いを示す針が空っぽの箱を何でもなれる方向性に向けてくれる』という意味で付けられたそうです。

また、これまでの「箱」は何かが主役で何かの付属品で最後は捨てられる・・・という運命でしたが「空っぽ」という可能性は無限で、「空っぽ」は状況に合わせて変化し、インテリアになったり、中身との相乗効果でさらに良いモノになったりと、自身で再構築できるような生活リテラシーを持つ人達を育成することができると哲学的に分析されていました。

多様化する現代ニーズに伝統技術をうまく融合させ、これからの100年をしっかり見据えている姿にこれからのパッケージについても深く考えさせられる刺激的な勉強会になったと思います。

担当委員長:金谷知佳
副委員長:斎藤桃子
担当委員:冨山美紀/堂山利奈/山内理恵/和田野 香恵
統括委員長:松尾政明
統括副委員長:三原美奈子

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