調査研究委員会
2022年オンライン研究会「パッケージデザイン 〜ワクワクのその先へ〜」
調査研究委員会では、近年、社会課題とパッケージデザインをテーマに、継続的に研究会を開催してきました。
昨年の TOKYO PACK 2021(東京国際包装展、主催:日本包装技術協会)では、「こんな未来、ワクワクしませんか?」などの提案も行いました。
2021年度からは、SDGsとパッケージデザインの関わりを基底のテーマにし、ユニバーサルデザイン、ローカルパッケージ、若者意識と買い物行動などについて、分科会形式での取り組みをスタートしました。
そのキックオフを公開研究会として開催します!
SDGs、ユニバーサルデザイン、地域活性化にZ世代などテーマに興味をお持ちのみなさまが自由にご参加いただける研究会です。(要事前申込、有料)
- 開催日
- 2022年03月02日(水)16:00 ~ 2022年03月02日(水)18:30
第1部 基調講演
住本充弘氏(住本技術士事務所 所長、技術士[経営工学]、包装管理士)
「SDGsとパッケージ開発、デザインへの期待」
■住本充弘氏 プロフィール:1967年 東北大学理学部卒業、大日本印刷(株)入社、
各種パッケージ開発及びシステム開発、ユニバーサルデザイン、環境対応パッケージ等。
大日本印刷(株)定年退社の2004年から現在、国内外でパッケージングのコンサルタント活動。
第2部 調査研究委員会の取り組み ~ワクワクのその先へ~
各分科会より3つの取り組みテーマを紹介
■やさしいパッケージ分科会:誰に対しても優しい、使い方が易しい、地球にやさしい・・・。社会課題、環境問題、ユニバーサルデザインなど、さまざまな課題を解決するデザインについて、情報収集・取材・体験等を通じてテーマをフォーカス、将来、提言を目指します。
■土地のチカラ分科会:地域限定のロングセラーの「なぜ」を考察することで、デザインでできる「持続可能」性に迫ります。また、これまで取り組んできた「ニッポンの特産品」事例調査を継続的に展開し、ローカルデザインの主軸を探るという2本柱を研究対象にします。
■世代を覗くパッケージ分科会:SDGsの視点でZ世代の価値観の変化に焦点を当てて調査し、世の中とパッケージデザインの環境の変化を紐解きます。それに伴った消費・購買行動の意識、チャネルの変化によって、見えてくるパッケージデザインの変容、可能性を探ります。
前半の基調講演では、国内外の最新パッケージ開発動向を精力的に取材し、講演・執筆などで発信を続ける住本充弘氏をお招きし、SDGs(持続可能な開発目標)を背景に、国内外のパッケージ開発の最新動向、パッケージデザインとの関係性、今後への期待などについてご講演いただきます。
後半では、JPDA調査研究委員会の取り組みテーマを各分科会よりご紹介します。その背景、問題意識とともに今後の研究活動の方向性について各分科会代表が報告します。その後、講師を交えてディスカッションをおこないます。
開催日時:2022年3月2日(水)16:00-18:30
開催形式:オンライン研究会(Zoomウェビナー)
参 加 費:JPDA会員2,200円/一般3,300円/学生1,100円
申込期限(変更しました):2022年3月1日(火)12:59
*オンライン(Zoomウェビナー)での開催です。
申込された方には、開催前日の午後にZoomアクセス情報をお知らせします。
*申込手続きは、下記よりリンクのCoubic(STORES予約)にてお願いします(クレジットカード決済)。
>>> 案内PDFをダウンロード
※「オンライン決済での申込方法」が分からない場合はこちらをご覧ください。
(サンプル画面は過去のイベントのものです)
開催日時:2022年3月2日(火)16:00~18:30
開催方式:オンライン
参加者数:60名(JPDA会員43名、一般17名)
第一部 基調講演「SDGsとパッケージ開発、デザインへの期待」
住本充弘氏(住本技術士事務所 所長、技術士[経営工学]、包装管理士)
第二部 調査研究委員会の取り組み ~ワクワクのその先へ~
委員会各分科会より3つの取り組みテーマを紹介
JPDA調査研究委員会より 進行:中越 出
a)やさしいパッケージ研究:鈴木樹子
b)土地のチカラ研究:福本佐登美
c)世代を覗くパッケージ研究:清野泰輔
【第一部 基調講演】
第一部は、包装コンサルタントとして活躍する住本充弘氏による基調講演。SDGsとパッケージの関係、国内外の循環型パッケージの技術開発動向が豊富な実例で解説されました。また、デザインへの期待、共創の重要性もお話しいただきました。
講演では、SDGsに代表される国連の「我々が望む未来」に沿って考えられた「望ましい包装の未来」が4分野で整理され、その具体的内容が語られました。
【第二部 調査研究委員会報告&ディスカッション】
まず初めに中越理事より、調査研究委員会の活動経緯を説明。近年、社会課題とパッケージデザインをテーマに、「パッケージデザインの価値はどうなるか」研究会を継続的に開催、2021年2月の TOKYO PACK 2021(主催:日本包装技術協会)では、これらの活動成果として「こんな未来、ワクワクしませんか?」と題した提案を行いました。情報アップデートが大切であり、何度もワークショップや研究会を繰り返して議論を重ねてきました。JPDAサイト【情報の森】に研究会の情報を掲載しておりますので、是非ご覧ください。
>>> パッケージデザインの価値はどうなるか研究会
2021年度からは、SDGsとパッケージデザインの関わりを基底に、ユニバーサルデザイン、ローカルパッケージ、若者意識と行動について、三つの分科会をスタートし、そのテーマ紹介を含む研究会をオンラインで開催することに至った経緯を報告しました。
以下、3分科会より報告を行い、それぞれ質疑応答と住本講師のコメントをいただきました。
a)やさしいパッケージ分科会
社会課題、環境問題、ユニバーサルデザインなど、さまざまな課題を解決するデザインについて、情報収集・取材・体験等を通じて明確化し、JPDAとして取り組むべきテーマをフォーカスしていきます。2023年度以降に、絞り込まれたテーマについてデザインでの提言を目指します。
具体的には2022年は取材・体験やテーマ深耕を進め、製作・提言するアウトプットを2023年に予定しています。
コロナ下でのオンラインワークのプロセスを共有後、実際に注目しているテーマや事例を紹介しました。
b)土地のチカラ分科会(その後、地域いきいき分科会に名称変更)
土地のチカラ分科会は、日本各地のローカルパッケージを対象に、二つのテーマを設けてこれから調査研究していきます。一つ目は「ニッポンの特産品」事例調査を継続します。二つ目は地域限定ロングセラーの「なぜ?」を考察します。地域限定ロングセラーの〝ひみつ〟を深く探り「デザインで実現する持続可能性」に迫ります。日本全国さまざまな地域に、その土地が育んだ歴史・文化・生活があり、特産品や名物があります。その成り立ちを調査する中で、ワクワクする面白さを発見しながら、なぜ?と思うような不思議さの裏付けを掘り下げて考察します。
参考:ニッポンの特産品 パッケージデザイン開発事例集(2015年度調査)
c)世代を覗くパッケージ分科会
こちらの分科会は、SDGsの視点で、Z世代の価値観と消費行動の変化に焦点を当てて調査し、世の中とパッケージデザインの環境の変化を紐解きます。作る側の変化もありますが、買う側も変化してきています。SDGsはパッケージデザインにどんな変化をもたらすか、について考えていきます。
Z世代は12〜26歳になり、 Y世代よりもよりインターネットが身近にある環境で育ったため、多くの人がインターネットを使いこなすことができます。SNSでの情報発信や情報を探すことにも慣れている世代です。具体的に支持されているブランドの事例などを紹介しました。今後、可能な限り実際に若い世代を対象にワークショップやヒアリングを検討していきます。
予定通り3分科会の報告を終え、全体の質疑応答後、閉会となりました。
第一部の基調講演に始まり、チャットを利用した質疑応答でも多くの質問と住本講師及びゲストの橋本香奈氏(日本包装専士会、2019年研究会のパネリスト)からもコメントをいただき、盛況のうちに幕を閉じました。
参加者アンケートでは「期待以上に刺激が多かった」「もっと視野を広げたいと感じた」「わかりやすく希望のもてる内容でした」など、第一部第二部ともに高い評価で、参加者の関心の高さがうかがえます。情報提供や提案も記され、今後の参考としていきます。一部、技術的な内容で「理解が追い付かない箇所があった」との声もありました。デザイン×技術のクロッシングという狙いもあり、デザイナーや技術・開発担当者などさまざまなバックグラウンドを持つ参加者に、わかりやすく、得るものも多く伝えるという両立を今後の研究会では目指します。
分科会の研究テーマは、2022年度は情報収集、調査考察で掘り下げ、2023年度以降に成果発表を行う予定です。
ご登壇いただきました住本講師、並びに関係各位に御礼申し上げます。
(報告:鈴木 樹子)
担当委員会:調査研究委員会
担当理事: 桑 和美/高田知之/中越 出
担当委員: 足立美津子/川村将久/清野泰輔/黒瀬克也/小林絵美/斎藤郁夫/鈴木樹子/長岡佐恵/福本佐登美/丸本彰一/三原美奈子/吉野加代子
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