JPDA西日本委員会 勉強会 ひらく vol.1

ミナペルホネン 皆川 明氏講演会 in 京都 / 第35回通常総会報告会

開催情報
開催レポート

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開催日時:平成28年6月26日(日)講演会:15:00~17:00/報告会:17:15~17:45
開催場所:TKPガーデンシティ京都
参加者数:80名(会員62名、一般16名、学生2名)

 

今年度の西日本事業のテーマ「ひらく」には、物事がはじまる「開く」、未来を「拓く」、悟りを「啓く」など、これからの西日本の活動に相応しい意味を込めました。

「ひらく」Vol.1は、2015毎日デザイン賞と平成27年度(第66回)芸術選奨美術部門文部科学大臣新人賞を受賞された皆川明氏の講演と、5月31日東京ガーデンパレスで行われた第35回通常総会の報告会を行いました。
皆川さんは、女性に絶大な人気を誇るファッションブランド「ミナペルホネン」を主宰するデザイナーです。開催が日曜日ということで、集客に気をもみましたが、会員の協力を得て80名以上の申し込みがあり、一般の参加者も多く女性の姿が目立ちました(55名)。

ミナペルホネンのアトリエで働くスタッフの様子がスクリーンに映し出され、ご自身の経歴から講演はスタートしました。
バックパッカーで訪れたパリコレでアルバイトをして、ファッションを一生の仕事にすると志しを立てたこと。ファッションはライフサイクルが短く価値が落ちるのが早い、もっとファッションの寿命を長くできないかと思ったこと。それが、ご自分のブランドを立ち上げるきっかけになったそうです。

スクリーンにテキスタイルの作品が映し出されると、皆川さんは、創作スタイルについて語り始められました。
ほとんどのテキスタイルの図案は自分で描く。創作は「もしも○○だったら」など空想を働かせることからはじめる。
想像で描いた方が感情とつなげやすいから資料は見ない。流行の色やスタイルは意識しない。女性が5000万人いる日本でミナペルホネンは年間10万着しか洋服を作っていない。だからマス情報には無頓着でいい。作る人売る人着る人が共感できる価値観を大事にしたい。元々ファッションは小規模でも成り立つ産業なのだから、など様々な観点から創作の秘密を語ってくださいました。

皆川さんによると、この30年間で繊維業界は徐々に衰退してきたそうです。その繊維業界を皆川さんは、これからの30年をかけて活性化できないかと考えられています。そのために一緒に仕事をしている工場とのつながりを大切にして、閑散期をなくして仕事を切らさないようにし、工場の料金を素材の値段にかかわらず一定にするなどの活動を始められているそうです。またファッションにとどまらず、雑貨のB級品や端切れを利用して、これまでと違った視点で新しい価値を生むモノづくりのプロジェクトも紹介されました。

会場からの質問に丁寧に答えられる皆川さんは、誠実さにあふれ、人もモノも、一つ一つが違うことを大切にされる気持ちが伝わってきました。このように自分を取り巻くものごとに真摯に向き合う姿勢が、作品の創作と、人々の生業や業界の活性化に対する行動の基点なのだと感じました。

皆川さんの洋服にはどれも、ちょっと捻ったアイデアにユーモアが加わり、軽快に図案が踊っています。
今回の参加者は、皆川さんのファッションに対する想いをはじめ、人やモノに対する見方や考え方、空想的発想法、そして作品や人柄に至るまで、皆川ワールドの魅力に包まれ、優しく刺激的で幸せな時間を過ごすことができたと思います。
引き続き行われた通常総会報告会は、例年の西日本の理事や委員会からの報告に加え、加藤理事長、田川副理事長、永田理事からも協会の今年度の活動方針や東日本での活動について報告があり、いつもの年以上に濃い内容の報告会になりました。

担当委員長:金谷知佳
担当副委員長:矢口智子
担当委員:井上邦子/秦智子/冨山美紀/三原美奈子/山内理恵
統括委員長:松尾政明

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