東北プロジェクト

Report

Talkcafé in Sendai

2015.09.06

開催日時:2015年9月6日(日)
時  間:13:00〜17:00(及び座談会)
場  所:日本デザイナー芸術学院仙台校
講  師:江藤正典(アドブレーン)
司  会:佐々木裕(クリエイティブ・ブティックBlowin’)

日本デザイナー芸術学院仙台校でのワークショップに引き続き、翌9月6日(日)に同校に会場・施設使用の協力いただき、Talkcafé in Sendaiと題してトークセッションを行いました。
参加者は、2013年以来交流を続けてきた仙台の若いクリエーターたちを中心に24名。
グラフィックデザイナーもいれば、イラストレーター、コピーライター等、皆さんデザインにまつわる分野に携わっています。
仙台で企画の仕事をしている佐々木さんに協力いただき開催いたしました。

第一部は、自己紹介を兼ねて、これまでに取り組んできたパッケージデザインを通じて、パッケージデザインの背景にある、コンセプトワークやブランディングに対しての考え、問題解決のための手段としてのパッケージデザインとブランディングについてお話ししました。
そして第二部では、事前にいただいていた、仙台のデザイン業の方が置かれている状況に対しての《声・質問》を元に、現状の捉え方、対処方法について問題提起を行いました。
皆さんが抱えている今の東北のデザイン業の問題とは、震災からの復興ということで考えるよりも、日本の地方のデザイン業全てが抱える問題にシフトしてきたことが、この《声・質問》からよくわかりました。
全てを解決できるような答えを提供することではなく、一緒に考えるための起点となる会を目指しました。(江藤)

※以下、司会を進めていただいた佐々木氏のレポートを掲載いたします。

■概  要:司会との対談形式による江藤様の制作実績および制作姿勢・考え方。
以前に仙台のデザイナーから収集された質問・声に対する回答と考え方など。
①トキメキ★&マジ本気!
◆江藤様のパッケージデザイン実績と考え方
◆イノベーションと差別化=トキメキ★&マジ本気
②枠や制限を取り払うと何かしら道が開ける
◆お金の問題…仕事の場所『枠』にこだわらなければ道は拓ける可能性
◆自分の『枠』にとらわれずにチャレンジすること
◆国内外も飛び越える視野で進むこと
③一歩踏み出すことから何もかも始まる
◆広告の今後
◆販路開拓・出資者確保のためのデザイン
◆地方のお土産とデザインについて
■備  考:実施後、同校内において座談会を実施。

<総評>
来場者席に対し正面にスライド用スクリーンを設置。
スクリーン両脇に講師席・司会席を設け、掛け合いを行いながら実績等を紹介していくスタイルで展開。
参加者は全員が仙台市内で活動する現役グラフィックデザイナー。
うちパッケージを中心に事業展開するのは1社(参加者1名)のみでした。
公演後の座談会で公演の所感を問うたところ、とにかく自分以外の人間とのつながりを持つことを意識していくことの重要さ、自分たちの『枠』の外に道を求めることの有意義さなどについて意識していきたいという言葉がきかれました。

<座談会について>
新幹線の都合で江藤様が退席したあとも、座談会は継続。
90分ほど話し合いをもつ。
参加者は15名程度。
ほとんどの参加者が座談会に参加。
話題の多くは仙台のパッケージ仕事について。
以下項目抜粋。

【仙台のパッケージ仕事について】
◆仕事が少ない
◆単価が驚くほど安い
◆営業・代理店が安く仕事を取ってくる
◆営業・代理店がクライアントにダメといえない
◆結果、パッケージに言いたいことをすべて書くようなパッケージが多くなっている
◆メーカーと直接交渉できない
◆仕事の受注口がない
◆クライアント自体が少ない

これらの課題克服のために、今後は自主的な勉強会を行うとともに印刷会社などと連携してパッケージの相談会などを実施できないかなどの案が出された。
一方では日常業務多忙のためなかなか会合を開くことが難しいとの報告が数件ありました。
このためSNSなどを通してつながっていきたいとこう声もきかれました。
講演によって得られた「人との結びつき」に対する意識づけについての認識を聴取したところ、現時点では「人と結びつく=商機」という理解はあるものの「商機=もたらされるもの」という理解があるらしく、「結びついた人から相談される」イメージが定着していることが判明。
当事者たちのこうした受け身的課題も解消していかなければならないことが明らかとなりました。
こうした自分の中の意識の壁も『枠』であるという意見が多く聞かれました。

<今後について>
今後、年末から再度集まり、今後の方向性を検討しようと言う声が聞かれました。
みな新しいことに挑戦したい思いはあるものの、できるかどうかは別という声と、「何を為すべきかを示してほしい」という声も聞かれました。
今後、このような集りを組織立てるためにどうするべきかさらに検討が必要だと考えられます。

ページの先頭へ